本校には、発行者・著作者・印刷所が麻生津小学校となっている『泰澄大師』という冊子があります。麻生津小学校がまだ福井市になる前、足羽郡麻生津村の表記です。昭和5年3月25日印刷、昭和5年3月31日発行となっている20ページほどの冊子で、使われている言葉や言い回しが歴史を感じさせるものです。

内容も大変興味深いのですが、どのようにしてこの話が受け継がれたのかはわかりません。(ご存じの方は、どうぞご教示ください。)その冊子の附記として、次のように書かれています。

私どもは一代の名僧泰澄大師の生まれられたこの麻生津村に生い立つことを心から喜びたいと思います。私どもの血液の中には、かかる偉大なる大師と同じ血液が流れているのです。皆さん等は刺激によって啓発される素質を多分に持っている者ばかりです。この冊子がその刺激の材料となって、第二、第三の泰澄大師の現れんことを鶴首して待ちます。・・・

ふるさとの先人として福井市の子どもたちの読むテキストに紹介されているのもすばらしいことだと思うのですが、子どもたちの成長を「鶴首(鶴のように首を長くして待ちわびる)して待つ」と記してくださった方が、昭和のその時代に存在したことも尊いと思うのです。

出典:泰澄大師(昭和5年)、ふるさと福井の人々(初版平成9年)